「三角保ち合い」とは
相場の「三角保ち合い」とは、株式市場やFX市場において、上昇トレンドや下降トレンドの後に発生する、一時的な値動きの停滞状態のことです。三角保ち合いは、チャート上で高値と安値がそれぞれ収束していくように見える形を描きます。この形は、三角形に似ていることから、三角保ち合いと呼ばれています。
三角保ち合いの種類
三角保ち合いには、大きく分けて二つの種類があります。一つは、上昇トレンドの後に発生する「上昇三角保ち合い」で、もう一つは、下降トレンドの後に発生する「下降三角保ち合い」です。これらの違いは、チャート上での形状や、その後の値動きの傾向に現れます。
上昇三角保ち合い
上昇三角保ち合いは、上昇トレンドの後に発生することが多く、高値がほぼ同じ水準で推移する一方で、安値が徐々に高くなっていくような形を描きます。この形は、買い圧力が強くなっていることを示しており、三角形の右端から上方向にブレイクアウトする可能性が高いと考えられます。ブレイクアウトした場合は、その前の上昇幅と同程度の値幅でさらに上昇することが期待されます。
下降三角保ち合い
下降三角保ち合いは、下降トレンドの後に発生することが多く、安値がほぼ同じ水準で推移する一方で、高値が徐々に低くなっていくような形を描きます。この形は、売り圧力が強くなっていることを示しており、三角形の右端から下方向にブレイクダウンする可能性が高いと考えられます。ブレイクダウンした場合は、その前の下降幅と同程度の値幅でさらに下落することが期待されます。
三角保ち合いの取引戦略
三角保ち合いは、ブレイクアウトやブレイクダウンを予測するための有効な手法です。しかし、必ずしもその方向に動くとは限りません。場合によっては、逆方向に動くこともあります。そのため、取引戦略としては、以下の点に注意する必要があります。
三角保ち合いが形成されているかどうかを確認するためには、少なくとも四つ以上の高値や安値が必要です。それ以下では、偶然の一致やノイズの可能性もあります。
三角保ち合いが完成したかどうかを判断するためには、チャート上で直線を引くことができるかどうかを見る必要があります。直線を引けない場合は、まだ完成していないかもしれません。
三角保ち合いからブレイクアウトやブレイクダウンしたかどうかを確認するためには、出来高やボリンジャーバンドなどの補助的な指標を参考にするとよいでしょう。出来高が増加したり、ボリンジャーバンドが拡大したりすると、ブレイクアウトやブレイクダウンの確度が高まります。
三角保ち合いからブレイクアウトやブレイクダウンした後は、その方向に動き続ける可能性が高いですが、必ずしもそうとは限りません。反転することもあります。そのため、損切りや利確のためのストップ注文を入れることが重要です。
まとめ
三角保ち合いは、株式市場やFX市場においてよく見られるチャートパターンの一つです。上昇トレンドや下降トレンドの後に発生することが多く、その後の値動きの方向性を予測するための有効な手法です。しかし、必ずしもその方向に動くとは限らないので、取引戦略としては、確認や判断、損切りや利確などの注意点を守ることが大切です。