外貨預金とFX取引の違い
1. 取引の性質
外貨預金は、実際に外貨を購入する方法です。一方、FX(外国為替証拠金取引)は、実際には外貨を購入せず、為替レートの値動きの分だけ儲けが出る方法です。
2. 取引コスト
取引コストで比較をすると、FXの方が安いケースが多いです。外貨預金では、「日本円から外貨を買う時」と「外貨を円に戻す時」両方に為替手数料がかかり、これが実質的な取引コストです。
3. レバレッジ
外貨預金とFXの大きな違いのひとつが、レバレッジです。レバレッジとは、「てこの原理」のように、預けたお金(証拠金)の何倍もの取引ができる仕組みのこと。外貨預金のレバレッジは1倍であり、預けたお金以上に取引することはできません。一方FXでは、レバレッジは最大25倍。
4. 為替差益を得るチャンス
為替差益を得るチャンスの多さも違います。外貨預金では、これから円安になると思った時に外貨を買い、実際に円安になったら外貨を売ると、利益を得ることができます。一方FXでは、「買い」だけでなく「売り」からもはじめられることがポイントです。
5. 金利の受け取り
外貨定期預金では、原則、満期時に利息を受け取ります。FXでは、翌営業日のNYクローズの時間を超えて保有することによって、毎日スワップポイントが発生します。
6. 税金
外貨預金の税金は、利子と為替差益で違います。FXの税金は、為替差益もスワップ収益も申告分離課税となり、税率20.315%と決まっています。
7. 保全のしくみ
外貨預金は、銀行が経営破綻した場合に預けているお金を保証してくれる制度(ペイオフ)の対象にはなりません。FXの場合、お客さまがFX会社に預けたお金は、会社の資産とは分けて信託銀行で管理するように義務付けられています。
以上が外貨預金とFX取引の主な違いです。それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分にあった投資を選びましょう。
外貨預金とFX取引の違い: 取引の性質
外貨預金の取引の性質
外貨預金は、実際に外貨を購入する方法です。預け入れた通貨の金利が適用され、為替レートの動きによって、預金の価値が変動します。
FX取引の取引の性質
一方、FX(外国為替証拠金取引)は、実際には外貨を購入せず、為替レートの値動きの分だけ儲けが出る方法です。売買するとき実際の通貨の受け渡しはせず、売買で生じた差額のみを受け渡すことになり、取引の利益は証拠金に加算となり、損失は証拠金から引かれます。
取引の性質の違い
これらの違いから、外貨預金とFX取引の取引の性質は大きく異なります。外貨預金では、自分が所有する資金の範囲内でしか取引できません。一方、FXでは、自分の資金に対してレバレッジをかけることで、利益・損失の大きさがレバレッジに対して大きくなることが特徴です。このレバレッジによって最大で証拠金の25倍の取引が可能となります。しかし、為替レートの変動による損失も、最大で25倍になる可能性があるということを理解しておく必要があります。
外貨預金とFX取引の違い: 取引コスト
外貨預金の取引コスト
外貨預金では、円を外貨へ、外貨を円へ換える際に発生する「為替手数料」が取引コストとなります。手数料は金融機関によって違いますが、例えば大手都市銀行では、窓口で米ドルの外貨預金を取引した場合に片道1円かかることがあります。
FX取引の取引コスト
FXでは、取引コストは「スプレッド」と呼ばれ、買いレートと売りレートの差額が実質的な取引コストになります。スプレッドは金融商品取引業者によって違いますが、米ドル/円であれば1銭以下にしている企業が多いです。
取引コストの違い
取引コストの面では、FXが有利であると言えます。例えば、1万ドルを取引した場合、外貨預金では取引コストが2,500円から2万円になるのに対し、FXでは取引コストは約30円となります。これは、FXの取引コストが外貨預金の取引コストの約1/100であることを示しています。このように、取引コストの面ではFXが外貨預金よりも有利であると言えます。
外貨預金とFX取引の違い: レバレッジ
外貨預金のレバレッジ
外貨預金では、預けたお金以上に取引することはできません。つまり、外貨預金のレバレッジは1倍となります。これは、預けたお金(証拠金)の範囲内でしか取引ができないということを意味します。
FX取引のレバレッジ
一方、FX(外国為替証拠金取引)では、レバレッジという仕組みがあり、最大で証拠金の25倍までの取引が可能です。これは、「てこの原理」のように、預けたお金(証拠金)の何倍もの取引ができるということを意味します。
レバレッジの違い
これらの違いから、外貨預金とFX取引のレバレッジの性質は大きく異なります。FXでは、レバレッジを掛けることで、証拠金を少なくして取引できます。しかし、レバレッジのかけ方によってリスクレベルが異なる投資手法となるため、注意が必要です。一方、外貨預金は、円を使って外貨を買います。レバレッジを掛けていないため仮に相場が酷く円高になったとしても、円転しなければ外貨建てでは元本保証です。円転しても当初入金した円貨額以上の損失が発生することはありません。
外貨預金とFX取引の違い: 為替差益を得るチャンス
外貨預金における為替差益を得るチャンス
外貨預金では、「円」を「外貨」に換える選択肢しかないため、対象外貨に対して円の価値が下がる「円安」を予想した時にしか利益を狙えるタイミングがありません。つまり、円安になれば為替差益が得られますが、円高なら為替差損が生じます。
FX取引における為替差益を得るチャンス
一方、FXは「米ドルを買って(代わりに)円を売る」だけでなく、「米ドルを売って(代わりに)円を買う」など、2種類の取引ができます。これにより、円安だけでなく円高の時にも利益を狙うことが可能となります。
為替差益を得るチャンスの違い
これらの違いから、外貨預金とFX取引の為替差益を得るチャンスは大きく異なります。外貨預金では円安を予想した時にしか利益を狙えませんが、FXでは円安だけでなく円高の時にも利益を狙うことが可能です。このように、為替差益を得るチャンスの面ではFXが外貨預金よりも有利であると言えます。
外貨預金とFX取引の違い: 金利の受け取り
外貨預金における金利の受け取り
外貨預金では、金利(利息)は利払い日が毎月1〜2回あり、日割計算された利息が口座に振り込まれます。また、外貨定期預金の場合、原則、満期時に利息を受け取ります。満期前に解約する時にも利息を受け取れますが、解約の手数料がかかって損になることもあります。
FX取引における金利の受け取り
FXでは、金利に似た利益があり、それをスワップポイントといいます。スワップポイントとは、取引する2つの通貨を発行している国同士の金利差によって生じる利益(もしくは損失)のこと。たとえば、高金利のアメリカの通貨である「米ドル」を買い、低金利の日本の通貨である「円」を売る取引(米ドル/円の買い)を行うと、アメリカと日本の金利差に相当するスワップポイントを受け取ることができます。スワップポイントはポジションを翌日に持ち越すと受け取る(支払う)権利が発生し、ポジションを保有している限り毎日受け取り続けることになります。
金利の受け取りの違い
これらの違いから、外貨預金とFX取引の金利の受け取りの性質は大きく異なります。外貨預金では、利息は原則満期時に受け取りますが、FXでは毎日スワップポイントが発生します。このように、金利の受け取りの面ではFXが外貨預金よりも有利であると言えます。
外貨預金とFX取引の違い: 税金
外貨預金における税金
外貨預金では、利息と為替差益と別々に税金がかかります。利息については、円預金と同じように「利子所得」となり、あらかじめ税金(20.315%)を引かれた金額を受け取るので申告の必要はありません。これに対して、為替差益は「雑所得」となり、ほかの所得と合算して申告する(総合課税)のが原則です。ただし、一般的な会社員で、為替差益を含む給与等以外の所得が20万円以下の場合は、確定申告をしなくてもよいので実質的に非課税ということになります。
FX取引における税金
FXでは、為替差益とスワップポイントそれぞれに税金がかかります。為替差益とスワップポイントの税率はともに一律20.315%なので(申告分離課税)、為替差益に最大55%もの税金がかかる外貨預金よりは低い税負担となる可能性があります。
税金の違い
これらの違いから、外貨預金とFX取引の税金の性質は大きく異なります。外貨預金では、為替差益に最大で55%もの高負担となってしまいます。税率は給与所得や事業所得が高いほど高くなるため、高所得者の方は特に注意が必要です。一方、FXでは為替差益とスワップポイントそれぞれに一律20.315%の税金がかかるため、為替差益に最大55%もの税金がかかる外貨預金よりは低い税負担となる可能性があります。このように、税金の面ではFXが外貨預金よりも有利であると言えます。
外貨預金とFX取引の違い: 保全のしくみ
外貨預金における保全のしくみ
外貨預金は、銀行が破綻した場合、破綻した金融機関の財産状況に応じて資金が返されます。外貨預金はペイオフの対象外である点に注意が必要です。ペイオフとは、お金を預けている会社が破綻した場合に、預金保険機構が会社に代わって、元本1,000万円とその利息を払い戻す制度です。つまり、外貨預金は預け先の銀行が破綻した場合、資産が返ってくる保証がありません。
FX取引における保全のしくみ
FXでは、お客さまがFX会社に預けたお金は、会社の資産とは分けて信託銀行で管理するように義務付けられています。FX会社が経営破綻しても預けたお金が戻ってくるため、保全のしくみにおいては外貨預金よりもFXの方が安心と言えるでしょう。
保全のしくみの違い
これらの違いから、外貨預金とFX取引の保全のしくみの性質は大きく異なります。外貨預金では、預け先の銀行が破綻した場合、資産が返ってくる保証がありません。一方、FXでは、FX会社が経営破綻しても預けたお金が戻ってくるため、保全のしくみにおいては外貨預金よりもFXの方が安心と言えます。このように、保全のしくみの面ではFXが外貨預金よりも有利であると言えます。