はじめに
FXトレードにおいて、エリオット波動という分析法をご存知でしょうか?エリオット波動とは、市場の値動きを一定のパターンに分類し、そのパターンから今後の値動きの方向や目標値を予測する手法です。エリオット波動は、市場の心理的な動きを反映したものであり、人間の感情や行動には一定の周期性があるという考えに基づいています。
エリオット波動は、基本的には5波と3波のサイクルで構成されます。5波はトレンド方向に進む波であり、3波はトレンドに逆行する補正波です。5波はさらに1,2,3,4,5という5つの小波に分けられ、3波はA,B,Cという3つの小波に分けられます。このように、エリオット波動は自己相似性を持ち、大きなサイクルから小さなサイクルまで同じパターンが繰り返されます。
エリオット波動を使ってFXトレードをする場合、重要なことは自分がどのサイクルのどの波にいるかを把握することです。それによって、今後の値動きの方向や目標値を予測できるからです。しかし、エリオット波動は主観的な解釈が必要な分析法であり、同じチャートでも人によって波の数え方が異なることがあります。そこで、エリオット波動と相性がよいテクニカル指標を併用することで、より客観的かつ確実なトレード判断をすることができます。
エリオット波動と相性がよいテクニカル指標
エリオット波動と相性がよいテクニカル指標は、以下の3つです。
フィボナッチ数列
MACD
RSI
これらのテクニカル指標は、それぞれ以下のような役割を果たします。
フィボナッチ数列
フィボナッチ数列とは、1,1,2,3,5,8,13,21,…というように、前の2つの数を足して次の数を求める数列です。この数列は自然界にも現れる比率であり、黄金比と呼ばれることもあります。フィボナッチ数列は、エリオット波動の目標値や補正率を求める際に使われます。
例えば、5波中の第1波が100pipsだった場合、第3波の目標値は第1波の1.618倍(フィボナッチ比)である161.8pipsと予測できます。また、第2波や第4波の補正率は第1波や第3波の0.382倍や0.618倍(フィボナッチ比)であることが多いです。このように、フィボナッチ数列を使うことで、エリオット波動の目標値や補正率をより正確に求めることができます。
MACD
MACDとは、Moving Average Convergence Divergenceの略で、移動平均線の収束と発散を表すテクニカル指標です。MACDは、短期の移動平均線(通常は12日)と長期の移動平均線(通常は26日)の差を示すMACDラインと、その9日移動平均線であるシグナルラインからなります。MACDラインとシグナルラインの交差や、ゼロラインの上下でトレンドの転換や強弱を判断できます。
MACDは、エリオット波動の波の終わりや始まりを確認する際に使われます。例えば、5波中の第3波が終わったときには、MACDラインとシグナルラインが交差し、ゼロラインから離れていた値がゼロラインに近づくことがあります。また、第4波が終わったときには、MACDラインとシグナルラインが再び交差し、ゼロラインから反対方向に離れていくことがあります。このように、MACDを使うことで、エリオット波動の波の終わりや始まりをより確実に判断できます。
RSI
RSIとは、Relative Strength Indexの略で、相対力指数と訳されるテクニカル指標です。RSIは、過去一定期間(通常は14日)の値上がり幅と値下がり幅の比率から求められる0から100までの値であり、その値によって市場の買われ過ぎや売られ過ぎを判断できます。一般的には、RSIが70以上だと買われ過ぎ(オーバーバウト)、30以下だと売られ過ぎ(オーバーソールド)とみなされます。
RSIは、エリオット波動の補正波の終了点を見極める際に使われます。例えば、5波中の第2波が終了したときには、RSIが30以下になっていることが多いです。また、第4波が終了したときには、RSIが70以上になっていることが多いです。このように、RSIを使うことで、エリオット波動の補正波の終了点をより正確に見極めることができます。
まとめ
FXトレードにおいて、エリオット波動は有効な分析法ですが、主観的な解釈が必要なため、テクニカル指標を併用することでより客観的かつ確実なトレード判断をすることができます。エリオット波動と相性がよいテクニカル指標はフィボナッチ数列、MACD、RSIです。これらのテクニカル指標はそれぞれエリオット波動の目標値や補正率、波の終わりや始まり、補正波の終了点を判断する際に役立ちます。エリオット波動とテクニカル指標を上手に組み合わせてFXトレードを楽しみましょう。
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